謎!
季節の変わり目に弱いマイルーム代表です。
さて、清少納言→紫式部→清少納言ときましたので、
次は紫式部ですね(?_?)
今日は紫式部の悩みを見てみましょう。
一条天皇の御幸が近く盛り上がる土御門邸。
菊の花も色鮮やか、部屋もピカピカ、皆のテンションも最高潮。
そんな中で一人紫式部だけは・・・。
「思ふことの少しもなのめなる(普通の)身ならましかば、
すきずきしくももてなし、若やぎて、常なき(無常)世をすぐしてまし。
めでたきこと、おもしろきことを見聞くにつけても、
ただ思ひかけたりし(心に抱き続ける思い・心を支配する思い)心の引き方のみ強くて
もの憂く、思はずに、嘆かしきことのまさるぞ、いと苦しき(それが本当に苦しい)。
いかで、いまはなほ物忘れしなむ、思ひ甲斐もなし(考えても仕方ない)、
罪も深かなり(仏罰が下る)など、明けたてば(夜が明けると、庭の池を)うち眺めて、
水鳥どもの思ふこと無げに遊び合へるを見る。
水鳥を 水の上とや よそみ見む われも浮きたる 世をすぐしつつ
かれも、さこそ心をやりて遊ぶと見ゆれど、身はいと苦しかんなりと、
思ひよそへらる(我が身に引き付けてそう考えてしまう)。」
『紫式部日記』
これを読んで、「あっ、わたしもそう!」と思った人は意外といるかもしれませんね。
「思ひかけたりし心」と何を気にして、何が心を支配していたのかわかりませんが、
これにより皆が楽しんでいるのに、心底楽しめない、それが苦しいと。
紫式部は、集団の中の個を意識するという点で近代的自我に目覚めていたのかもしれません。
水鳥は面白いとらえ方ですね。
鴨でも池を泳いでいる姿は気儘に見えますが、水面では必死に足を動かしている。
一見楽しんでいるように見えて、心の中は・・・(-_-;)と自分と重ねています。
何がそうさせたのか・・・。一切書かれていません。謎ですね!
そういう「心の闇」を持ちながら世界に誇る一大長編物語を書いたのですね。
続きが知りたい方は、マイルームで!
*『紫式部日記』は角川ソフィア文庫がお勧めです!